グロッラ II

現地リサイクルショップに大体1個は生息している、イタリアを代表するいやげ物…それがグロッラ。

荒々しく削られた蓋付きの木工器からいくつも伸びる突起や孔…この見馴れない容姿の民具は、イタリア北部のとある集落にのみ伝わる局所的風習のために使われる──もっとも今は郷土工芸品土産としてその形式を残すのみで、実際は中に説明書きが入ったまま使われることなく仕舞われていた物が殆どに思える。

あえて使い方を調べず何に用いるのかを想像するのもまた一興。無知の楽しみよりも何なのか気になってしまう方はひき続き以下をご参照。

使う時期はクリスマス。聖夜にワインやホットチョコレートをこの器の中に入れ、家族や友人 親しい者同士が銘々の飲み口を決める。そして中のドリンクが空になるまで、無言でまわし飲みをするために使う物なのだそうだ…つまりこの小型は2人で回し飲みができ、グロッラ入門編には最適なサイズ感と言える。

希少なローカル習俗である上、使うタイミングも極めて限定的。加えて住居を地味に圧迫してくるサイズ感、これをお土産に貰ってしまった人の苦笑いが目に浮かぶ──これを駄民具と言わずして何と呼ぼうか。

イタリア直輸入

※本解説にはうろ覚えエフェクトがかかっているので、もし有識者の方から見てこの解説が歪んでいても気にしないでください。